高齢社会である現代、広く活躍の場がある介護士は、肉体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。
人の役に立つ仕事でありやりがいを感じる仕事ではありますが、働く人が少ないために、勤務状況がブラック企業化している職場も少なくありません。
介護士は長く働ける職業であるだけに、職場の悪環境で辞めてしまうのはもったいないですよね。
ここでは、介護士で今の職場を辞めたいと悩んでいる人のために、すぐできる対処法について詳しくご紹介します。
目次
ストレスがたまって辛い!介護士を辞めたいと思う原因5つ

介護士はやりがいがある仕事である一方で、悩みの尽きない仕事でもあります。
なぜ介護士を辞めたいと思ってしまうのか、その原因について、詳しく見ていきましょう。
1.人間関係で悩んでいる
介護士を辞めたいと考えている人が、一番多くその理由として挙げているのが人間関係の悩みです。
介護士の場合、以下のように複雑な人間関係に触れることが多くあります。
- 職員同士の人間関係
- 職場の上司との関係
- 利用者やその家族との関係
介護士は働く人の年齢層が幅広く、いろいろな考え方を持つ人が集まっています。
そのため、職場によって仕事を取り仕切るお局様がいたり、わがまま勝手な上司に振り回されたりといったことも。
また女性が多い職場だけにいじめも多く、特に新人は仕事ができないことも加わって被害にあい、仕事を辞めたいと思いやすいですね。
2.給与が安い・待遇に不満がある
給与が低い、また勤務体系に不満があり、介護士を辞めたいと考える人も多くいます。
介護士の仕事は、高齢化が進む現代ではなくてはならないものですよね。
ただ給与面に関しては、それぞれの職場で差があり、夜勤をしなければ毎月の給与が低すぎて生活ができない、といったこともあります。
国は介護士など福祉関係の給与をアップするよう対策をしていますが、まだまだ現場に浸透していないのが現状ですね。
また臨時職員やパート、アルバイトで仕事をしている人も多く、何年も頑張っているのに正職員になることができないという悩みを持っている人もいます。
3.労働時間や勤務体系に不満がある
介護士は職場によっては夜勤があることもあり、かなりキツい環境で働いている人もいます。
通常であれば、夜勤は連続でしない、また夜勤明けは休みにするといった待遇がされていますよね。
ところが、職員の数が少ない職場の場合、夜勤明けでそのまま継続して勤務したり、普段でも残業が多いといったことがよくあります。
逆に正社員しか夜勤が認められず、パートやアルバイトでもっと働きたいと考えているのに、仕事をさせてもらえないといったことも。
正社員になりたくても人件費の問題でなることができないといった環境に、辞めたいと考える人もいます。
4.職場の方針についていけない
現場をよく知らない管理職の人の理想に振り回されて辞めたい、と悩んでいる人も実は少なくありません。
現場に人が少なく、仕事を回すだけで精一杯なのに、現場を知らない管理職によって必要な人材が異動させられたり、理想の職場作りを求められたりといったことに苦痛を感じている人もいます。
多くの利用者を取り込みたいという考え方は理解できるものの、あまりに現実からかけ離れたことを言われると、この職場で働き続けて大丈夫なのだろうか、そんな不安に悩まされてしまいますよね。
5.結婚や育児で今の職場では働けなくなった
職場に産休や育休の制度がなく、結婚や育児で今まで通りの仕事ができない場合、職場から退職を勧められることもあります。
長く働き続けたいと考えたからこそ、介護士の仕事を選んだのに、現実にはまだまだ働く女性にとって優しい環境が作られている職場は少ないのが現状です。
また介護士の仕事は時短勤務が難しく、結婚や妊娠、出産といった女性のライフスタイルに合わせることができないという問題もありますね。
そのため、女性の介護士は辞めざるを得ないという現状になっているのです。
ブラック企業は危険!介護士が辞めるべき職場の5つの特徴

熱心に働いている介護士を、会社側が悪用して無茶な働き方をさせていることもあります。
こういったブラック企業で働く介護士は真面目な人が多く、「私が我慢すればいい」と受け入れてしまいやすいんですよね。
肉体的・精神的に限界になる前に、こういった会社から脱出する必要があります。
次は、介護におけるブラック企業の特徴を詳しく見ていきましょう。
1.違法な医療行為を介護士にさせている
介護士で、必要な講習を受講すれば一部の医療行為を行うことが可能となっています。
ただ、人手不足を理由に未受講の職員に医療行為をさせている職場もあるんですよね。
これは違反であるだけでなく、利用者にとっても危険な行為です。
上司に命令されて仕方なく行ったとしても、罰を受けるのは違反した介護士だけ。
そういった行為を強制させている職場が一番問題だということに、早く気がつく必要があります。
2.休日や有給を自由に取らせてくれない
人手が足りないからと言われ、休日なのに出勤したり、届けを出した有給休暇を却下されたりといったことがブラック企業では当たり前に行われています。
働いている以上、休みはきちんと取るのが当たり前ですし、有給休暇をきちんと取得させるのは会社の義務でもあるはず。
それをないがしろにされるということは、職場が働く人のことをきちんと考えていないということであり、ブラック企業である証でもあります。
3.夜勤を宿直扱いにしている
夜勤がある職場で、夜勤を宿直扱いにして休日を操作する行為が行われていることもありますね。
月に何度も夜勤がある場合、宿直扱いにされてしまうと、休日が減るばかりでなく賃金の割り増しもされなくなってしまいます。
宿直とは、見回りや待機など、業務をしない労働のことですね。そのため、宿直明けの日は休日と見なされます。
これが夜勤の場合だと、夜間も労働をしているため、夜勤明けの日も労働をしたと見なされるので、仕事はできません。
職員を働かせるために夜勤を宿直扱いとする職場は、職員のことを考えていないブラック企業といって差し支えありませんね。
4.労働基準法を守っていない
労働基準法では、毎週少なくとも1回、もしくは4週間の間に4日の休日を雇用している側は労働者に与えるよう定められています。
実は労働時間は1週間で40時間、1日の労働時間は8時間と規定されていることを知らずに働かされているという人も。
この規定を守らず、残業や休日出勤が当たり前になってしまっている職場は、問題があると見なされても仕方ありませんよね。
当たり前のように残業があり、しかも週1日しか休みがない職場は、ブラック企業なのです。
5.昇給がなく残業代も支払われていない
介護士として何年も働いているのに、昇給がほとんどない、また残業を毎日しているのに手当てがついていない、そういった職場も問題です。
交渉しても経営が苦しいなど言い訳をして、きちんと対応してくれない職場では、何年働いたとしても安い給与で仕事をし続けることになりますよね。
きちんと仕事を評価し、対価を考えてくれない職場はブラック企業なのです。
介護士はストレスだらけ!辞めたいと悩んだ時の4つの対処法

ストレスを感じながら、それでも必要としてくれる利用者のために無理を重ねて働く介護士。
あまりにも現状が辛く、介護士の仕事を辞めてしまいたい、そう考えているあなたが今すぐできる対処法をご紹介します。
1.自分のステップアップの場と考えて仕事に取り組む
人間関係や職場の方針が自分に合わないとしても、すぐ辞めてしまうとせっかくのキャリアを失うことになりかねません。
辞めるにしろ転職するにしろ、まずは自分がキャリアアップするためにこの職場にいる、と考え方を切り替えることも必要です。
考え方を変えれば、面倒な人や付き合いづらい人であっても、次の仕事に活かすことにつながりますよ。
2.初心を思い出して仕事をする
辞めたいと考え始めると、そのことばかりが頭の中を占めてしまい、冷静に判断ができなくなってしまいます。
まずは自分が介護士を目指した時の気持ちや、働き始めた時の頑張ろうと思っていた気持ちを思い出してみましょう。
仕事に慣れてくると、そういった初心は忘れやすいものです。
まずは初心に戻り、自分はどのような働き方をしたかったのかを思い出して仕事をしてみましょう。
3.休暇を取って休む
残業が多く、休日も出勤することが多いといった状況なら、とにかく休むことを考えることが大切です。
ブラック企業の中で働いていると、「自分が休むと周りに迷惑がかかるかも」と考えがちですが、疲れ切った頭と体では、物事の判断力が鈍ってしまいます。
まずは無理矢理にでも休暇を取り、仕事のことを忘れてしっかり休みましょう。
4.介護士向け転職サイトに登録する
介護士の仕事に誇りを持っていたはずなのに、無茶な勤務や人手不足で「こんなはずじゃなかった」という毎日を送っているのであれば、もっと自分のやりがいのある職場に転職することも考えるべきです。
介護士向け転職サイトなら、介護士がやりがいを持って働くことができる職場の情報をたくさん紹介してもらえます。
もっとホワイトな介護施設もたくさんあるので、働きやすい環境の職場を紹介してもらえるよう、転職サイトを活用してみてください。
【まとめ】介護士は職場を変われば働きやすくなる!介護士向け転職サイトを利用して転職しよう

介護士の仕事は人に必要とされ、人のために役立つ仕事ですが、肉体的・精神的にストレスがたまりやすい職業でもあります。
ただしストレスがたまる原因には、自分の経験不足や力不足ではなく、職場環境や職場の方針が大きく影響していることも少なくありません。
真面目な人ほどブラック企業につけこまれ、無理な仕事をさせられていることもあります。
ただ、そんな人でも職場を変われば、介護士にとって最高の環境で働くことも可能なんですよ。
介護士向け転職サイトに登録し、担当のキャリアコンサルタントに相談しながら、あなたが生き生きと活躍できる働きやすい職場を探してみてくださいね。