画像出典:少年ジャンプ公式サイト
週刊少年ジャンプといえば、「友情・努力・勝利」。
熱いバトルやスポーツ漫画が人気ですが、そんな週刊少年ジャンプで、静かに、しかし確かに人気を上げている作品があります。
それが、「アクタージュ act-age」。
バトルでもスポーツでもなく、描かれているのは舞台や映画で活躍する「役者たち」の姿です。
主人公である夜凪景を中心に描かれる、芝居に懸ける若い役者たちの姿。
ドラマや映画などのエンターテインメントは私たちの生活に身近なものですが、そこに必要不可欠な「役者」たちが、どのように彼らの世界を生きているのか。
そんなことを考えてしまう作品です。
華やかな世界の裏側を覗いてみましょう!
ここではこの作品の魅力を、対照的な2人の女優の姿を中心にご紹介します。
目次
ジャンプで連載中!漫画「アクタージュ」ってどんな物語?
「アクタージュ act-age」は、週刊少年ジャンプ2018年第8号から連載が開始されました。
原作をマツキタツヤ、作画を宇佐崎しろが担当。
コミックスは現在3巻までが発売中で、最新4巻は11月に発売予定です。
主人公となるのは、「夜凪景(よなぎ・けい)」という16歳の少女。
家を出た父と亡くなった母に代わり一家の大黒柱として、双子の弟妹の世話をしています。
何よりも守るべきは家族であり、アルバイトを掛け持ちしながら日々の生活を過ごしています。
そんな夜凪には、天性の演技の才能がありました。
とあるオーディションに参加しその圧倒的な実力を見せつけますが、彼女の「演技法」を危険視した主催者の一存で不合格となってしまいます。
しかし、オーディション会場でそんな彼女の才能を見出した人物がいました。
それは、映画監督の「黒山墨字(くろやま・すみじ)」。
彼の協力により、夜凪は役者としての第一歩を踏み出し、目覚ましい成長を見せていくことになります。
「アクタージュ」の魅力的な登場人物・夜凪景と百城千世子
次は、「アクタージュ」の主要な登場人物である、夜凪景と百城千世子について見ていきましょう!
夜凪景の演技法・魅力
週刊少年ジャンプで連載中のアクタージュのヒロイン夜凪景をよろしくお願いします。 pic.twitter.com/2kCU38vZQv
— もも🍑 (@peach_ra_MH) 2018年10月12日
夜凪景は、クールな雰囲気をまとう黒髪の美少女。
近寄りがたい雰囲気からか、「友達がいない」と本人が語る通り、周囲からは少々遠巻きに見られることが多いです。
天性の役者である彼女の演技は、「メソッド演技法」という演技理論によって成り立っているもの。
メソッド演技法は、1940年代のアメリカで構築された演技理論です。
自己の内面を掘り下げ、感情を追体験することによってよりリアルな演技が可能になるという考え方ですね。
しかし、自己の内面を掘り下げ、自らの経験や感情を追い求める。
それは、自らへの負担を大きく伴うものです。
それが原因で破滅に追い込まれた役者が実際に多くいました。
夜凪もあまりにのめり込むあまり、なかなか入り込んだ感情の世界から戻ってこられないことも。
また、自分が未経験の感情やできごとには入り込めず、上手く演じることができないという弱点もあるのです。
夜凪は決して、自分のやり方を頑なに守るスタンスを取ることはしません。
「もっと芝居ができるようになりたい」彼女が持っているのは、その気持ちだけ。
自分の今の演技ではできないことがある……、そして、自分の中にはまだ知らない自分が眠っている。そう感じるのでした。
クールな印象を持つ彼女ですが、実際はとても純粋でまっすぐ。
夜凪は様々な現場で、個性的な同世代の役者たちと出逢い、お互いに刺激を与え合い成長していくことになるのです。
天才女優・百城千世子
この作品に登場するもうひとりの印象的な役者。それが百城千世子という女優です。
彼女を人は「天使」と呼びます。
愛くるしい透明感のあるルックス、人当たりもよく、いつも笑顔を絶やさない、宝石のような瞳の美少女。
映画を愛し、良い作品を作るための努力は決して惜しみません。
共演者の過去の作品をチェックし、現場を支配します。
全てのカメラの位置を把握し、自分がどのように撮られているのかを把握しながら、完璧な演技をこなすまさしく天才女優。
演じることにはプライドを持っています。
撮影現場のカメラのレンズを「目」とし、自らを俯瞰で見ることができる。決して自分の感情にのめりこむことはありません。
自分を捨て、役の仮面をかぶって美しく「なりきる」ことのできる女優です。
いわば、夜凪とは正反対の考え方を持っているのですね。
そして、人間らしさを全面に出した夜凪の芝居に対しては、少しの嫌悪感を抱いています。
芝居はエンターテイメントであり、売り物。
役者の仕事は観客を魅了することであり、そのためには自分を殺し、素顔を隠し、完璧に作り上げることが必要なのである。
それが千世子のモットーです。
自らの感情を糧として芝居と向き合う夜凪とは、圧倒的に異なる存在。
彼女が構築したい世界においての夜凪は、決してわかりあえることのない存在だったのです。
数多い人気作品に主演し、その作品にかけられる期待を背負いつつも常に凛と立つ千世子の姿は、多くの人々を魅了しています。
「アクタージュ」の夜凪景と百城千世子・影と光の対比
#wj30 アクタージュ pic.twitter.com/47YNFbrxLJ
— マルチェロ (@Marcello0909) 2018年6月24日
夜凪景は、ビジュアルイメージからもわかるとおり、クールな印象を与える少女。
目を引く黒髪のロングヘアー、どちらかといえばポーカーフェイスの静かな印象です。
対して百城千世子は、いつも微笑みを浮かべ、瞳にも明るい輝きが宿る。
白いショートカットのビジュアルもまた、軽やかで明るいイメージを演出しています。
そして先程ご紹介したとおり、その演技方法も全く異なるもの。
自らの感情をさらけ出すことで表現する夜凪、そして完璧な仮面をつけ、自らを殺す千世子。
第一印象では、夜凪が「影」、千世子は「光」というイメージを抱きます。
しかし、夜凪の感情をさらけ出す「生命」の演技に比べ、千世子は「完璧な作り物」であることに着目してみると……一概にそうとも言えないのかもしれません。
人間の生命は太陽の光を浴びて育まれるもの。
つまり、その生命力を爆発させた芝居をできる存在……夜凪こそが光である。そう考えることもできます。
完璧に作り上げられた「千世子の仮面」は、その生命力の前で、無力になる瞬間が訪れる。そんなふうに思うのです。
そしてその瞬間、また千世子も変わる。
そんな2人が役者として再び向かい合った時に生まれる化学反応に、私たちは期待を抱かずにはいられないのです。
アクタージュ、顔のいい女ども、はちゃめちゃに百合 pic.twitter.com/s4H6BNs1SU
— ぜんらまる (@zenramaru) 2018年9月10日
【まとめ】「アクタージュ」は人間の成長物語!夜凪景と百城千世子の今後に注目
本日発売のWJ39号、アクタージュ30話センターカラーいただいてます!そして遅ればせながら次にくるマンガ大賞5位、投票してくださった皆様ありがとうございました…!頑張って次に来たいです!これからもアクタージュをよろしくお願いします!! pic.twitter.com/aJ0VfmKaH8
— 宇佐崎しろ (@uszksr) August 27, 2018
夜凪も、千世子も、そして登場する様々な若手俳優たちも、みんなまだまだ未完成。
知らない世界をお互いの中に見つけ、刺激を与え合い、未知の自分を探っていく姿が描かれます。
彼らはそれぞれの夢や理想を抱いて進みます。演じることで自分と向き合う。
これからも夜凪にはたくさんの新しい出逢い、そして成長のきっかけが訪れることでしょう。
夜凪と千世子。ふたりの今後に、ぜひ注目してみてください。